11月19日、J1、J3よりも一足早く今季のJ2リーグの全日程を終了した。
来季J1昇格をかけたプレーオフ進出チームを巡る戦いは、ラストのアディショナルタイムに大逆転が起きるというドラマティックな展開にもなり、非常に見ごたえのあるリーグ最終節となった。
昇格プレーオフに進出したチームによるトーナメントは、早速今週末11月26日に「名古屋グランパス(リーグ3位)対ジェフ市原・千葉(リーグ6位)」「アビスパ福岡(リーグ4位)対東京ヴェルディ(リーグ5位)」という対戦カードで行われる。
昇格プレーオフでは90分間の戦いで勝負がつかない場合、リーグ順位の上位チームが勝者となるアドバンテージがあるものの、これまでの昇格プレーオフの歴史を見ても、リーグ順位が低くプレーオフに滑り込んできたチームが勢いそのままにJ1昇格を決めるという結果も決して珍しくはなかった。
今季のJ1昇格プレーオフでも、こうした波乱が起きる可能性は十分にあり、それこそがこの昇格レギュレーションの醍醐味とも言えるだろう。
「絶対に勝たなくてはならないチーム」

私は、今季のJ2最終節で2つの試合のどちらを観戦するか、ギリギリまでかなり悩んだ。
味の素スタジアムでは「東京V対徳島」が行われ、勝利したチームはプレーオフ進出を決めることが出来、負けたチームも他会場の結果によってはプレーオフ進出の可能性がある。
一方のフクダ電子アリーナでは「ジェフ対横浜FC」の対戦、こちらはジェフが勝利した場合のみ他会場の結果次第ではジェフのプレーオフ進出が決まるかもしれないゲーム。
最終的に私は「絶対に勝たなくてはいけないチーム」の最終節がどんなムードで行われるかを見てみたい気持ちが勝って、フクアリに行くことを決めた。
結果はご存知の通り、アディショナルタイムに決まった逆転ゴールで試合に勝利したジェフが、他会場の結果をうけ見事プレーオフ進出を決めた。
これほどまでに緊張感のある試合で、最後の最後まで勝利を諦めなかったジェフの選手たちの気持ちの強さには強く気持ちを動かされたが、それ以上に強く印象に残ったのは、何といっても当日のフクアリであのムードを作ったファン・サポーターの力である。
決して良くなかったゲームへの入り
【ジェフ公式】【ハイライト】11月19日(日) 明治安田生命J2リーグ 第42節 横浜FC戦
2-1
【得点者】町田也真人、近藤直也
https://t.co/UuMRQTh7oK— ジェフユナイテッド市原・千葉(公式) (@jef_united) November 20, 2017
ジェフにとってゲームへの入りは決して良くなかった。
「勝利しなくてはいけない試合」に挑む11人の選手には、相当なプレッシャーもかかっていたはずだ。
開始早々、この試合を通じて戦う気持ちが若干空回りしてしまっていたCBキム・ボギョンが、自陣左サイドに流れたボールを相手を背負いながらコントロールしようとした瞬間に足をとられ転倒し、その隙を見逃さなかった横浜FCに先制ゴールを許してしまう。
しかし、この失点がキックオフ直後であったことは、結果的に幸いしたのかも知れない。
ジェフはこの失点で、やっとゲームに入れたように見えた。
しかし横浜FCはジェフが得意としている「相手ボールを奪って素早く攻める」という戦術がなかなか嵌らない相手だった。
横浜FCはドリブルやパスでボールをキープする時間が少なく、ジェフとしては「ボールの奪いどころ」が絞りにくい。ボールを意図的に奪えないと、ジェフの速い攻撃は生きてこない。
何ともやりにくそうに戦っているように私には見えた。
ただ、前半のうちに町田による相手キーパーの虚を突く技巧的なシュートで同点に追いつくと、後半は横浜FCがやや前がかりになったこともあって、いつものジェフらしい試合運びが徐々に出来るようになる。
フクアリを包んだ「勝者」のムード

時計の針も徐々にタイムアップに向けて進んで行く中、フクアリに集まったサポーター達からは「いつジェフが逆転ゴールを奪うのか?」そんな押せ押せのムードが感じられた。
ゴール裏のチャントも一層迫力を増し、スタジアム全体に轟音が響いていた。
選手たちはあのテンションの高いゲームの終盤、体力的にはかなり消耗していたはずだ。
実際に、私の面前で何度もドリブルを仕掛けていた為田大貴には明らかな疲労の様子が見て取れた。為田だけではない、どの選手も「越えなくてはいけない壁」を前にいつ挫けてもおかしくない状況であったろう。
しかし、サポーターの作るスタジアムのムードは「勝者」のそれであった。
「我々がジェフに逆転ゴールを獲らせる」
逆転を信じるとか信じないとかではなく、あの瞬間に彼らが出来ることは「選手に最大限の後押し」をする事だったのであろう。
それ故に不思議と悲壮感はない。むしろその状況を思いきり楽しみ、爽快なムードですらあるのだ。
あの瞬間に近藤直也による逆転ゴールが生まれたのは、恐らく必然だったのであろう。
選手もそれを応援するサポーターも、あの日は朝から落ち着かなかったはずだ。
しかし、最後の最後に彼らはサッカーを思い切り楽しんだ。
彼らは今季、既に勝利した
ゲーム前、スタジアムDJがこう叫び、スタンドからは喝さいが上がった。
「あなたにチームを任せてほんとうに良かった!ファン エスナイデル!!」
今季のJ2リーグをジェフのファン・サポーターは楽しむことが出来たそれが何よりの証であろう。
彼らは、昇格プレーオフでも自らの愛するチームの戦いを楽しみながら後押しするはずだ。
J1昇格という成果を仮に得られなかったとしても、彼らは「勝利」したと言えるのではないだろうか。
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