J2リーグもいよいよ最終局面、来季のJ1昇格を決めたクラブが新たに誕生し、昇格プレーオフの座をめぐる争いは最終節にまでもつれ込むことになった。
一方で、J2昇格チームの有無は別としても、残留争いも佳境を迎えレノファ山口がロアッソ熊本を得失点差で上回り、自力残留圏に浮上した。
最終節をアウェイで戦うクラブは、ホーム最終戦となった今節の試合終了後、各スタジアムでシーズンを共に戦ってきたファン・サポーターに向け、感謝の意を表すセレモニーも行ったようである。
しかしながら、ホーム最終戦で満足いく結果が得られなかったクラブのセレモニーについては、ファン・サポーターのフラストレーションの矛先が得てしてクラブ運営側に向いてしまうことも多いようだ。
ニッパツ最終戦でプレーオフの可能性が消えた横浜FC
アディショナルタイムに追いつかれる最悪の結果

私は11月12日、ニッパツ三ツ沢へ横浜FCのホーム最終戦である「対ファジアーノ岡山戦」を現地で観戦した。
横浜FCとしては、昇格プレーオフへ一縷の望みをつなげるべく、何としても勝利が必要なゲームであり、引き分け以下に終われば、それは今季のJ1昇格の可能性がゼロになる重要な一戦でもあった。
試合は苦しみながらも前半のイバによる「らしい」ヘディングシュートで、横浜FCが先制。
しかし、ゲーム終盤になるとファジアーノ岡山の猛攻を受け続け、アディショナルタイムに入ってゴール前の混戦から執念の同点シュートを決められてしまった。
横浜FCのファン・サポーターにとっては、最後の最後で夢を打ち砕かれた格好だ。
セレモニーを前にスタジアムを後にするファンも多かったように思う。
スタジアムに集まったファンの願いは裏切られた
私はこの試合後のセレモニーで、横浜FCの社長からも選手からも、この試合で勝てなかったことに対する謝罪の言葉が聞かれなかったことが意外であった。
この日ニッパツに集まった観衆は8000人超。
横浜FCの今季ホームゲームではトップクラスの観客規模だ。
彼らはこの日、愛する横浜FCが勝利する姿が何よりも見たかったはずである。それが意味するのは横浜FCが最終節までプレーオフ圏争いをすることであり、次節千葉で行われるジェフとの一騎打ちを全力で応援出来るか否かがかかっていたのだ。
感謝の意をあらわすことは当然であろう。しかしながら、スタジアムへ集まった人たちを前に彼らの願いを叶えられなかったことについて詫びの言葉を伝えることが何故できないのか。
「皆さんが作ってくれるホームの雰囲気が、チームの力になっているのは間違いない」
熱心なサポーターからすれば、こんな言葉を掛けられたところで、こう思うだろう。
「今日だけは、そんなことを言われたくない」
「今日のサポートでは勝利するまでに足りなかったのか?」
「期待に応えられず、申し訳ない」
こんな言葉をかけられたファン・サポーターはきっとこう思うはずだ。
「俺たちはこれからももっと応援してやるよ」
そして、またあの長く曲がりくねった坂道を登ってきてくれるだろう。
社長自らが対戦相手の勝利に感謝する異常事態
【サポ激怒】町田ゼルビア社長「山口勝ってありがとう」に罵声と怒声![まとめ] https://t.co/8SefqqO7dY pic.twitter.com/y99sxjTKdI
— デジサカ⚽️ (@digital_soccer) November 12, 2017
野津田では、FC町田ゼルビアの下川浩之社長が発した挨拶に批難が集まっているようだ。
「まず最初に、山口のサポーターの皆さん、遠くからありがとうございました。そして、私たちのホーム最終戦で勝っていただきまして、ありがとうございます」
いったい、どうしてこうした言葉が口をついてしまったのだろう。
下川社長は、2015年にJ3をともに戦い、翌2016年にそろってJ2に昇格した山口に強い思いがあると続けたが、この発言の主旨を聞いてもそれに共感できる町田サポーターが果たしているのだろうか。
下川社長が個人的にレノファ山口に対して親近感を持つのは構わない。
しかし、何故それを町田サポーターもいるスタジアムでマイクを通して公言するのであろう。
今季町田がホームで挙げた勝利はわずか4つ。
リーグ戦直近では、実に10試合勝利から見放されている。
もし今回の対戦がレノファ山口との「昇格争い」「残留争い」のゲームであっても同じことが言えるのだろうか。
「サポーターはどんな時でも来る」と思うなかれ
続けて下川社長は、「1試合、1試合…勝ち負けはあります。そこでチームが好きになる、嫌いになる…そうじゃありません。自分たちが誇れるチーム、強いチームになるためには試練がつきものです。私も早くJ1に行きたいです」と町田ファン・サポーターに向けて発言している。
何をかいわんやである。
サポーターは毎試合毎試合、必ずスタジアムへ来るものだとタカをくくってはいないか?
J1クラブライセンス交付の目途も一向に立たないクラブに対し、サポーターからいつ愛想をつかされても仕方ない状況ではないのか?
この試合がもしかしたら初めてのスタジアム観戦だったファンもいたであろう。
彼らは初めて見にいった試合で応援するクラブが負け、社長が対戦チームに「勝ってくれてありがとう」「1試合負けたから嫌いになるのは違う」と言われてどう思うだろう。
Jリーグクラブはファン・サポーターが共感できる夢を本気で語れ
私が今回ニッパツで感じた違和感や、FC町田社長の非常識な発言は、ザスパサポーターが叫んでいる「SOS」に通ずる風土を感じる。
Jリーグクラブを応援するファン・サポーターは、必ずしもクラブが「強い」ことだけに気持ちがつき起こされているわけではない。
そのクラブが好きだから、愛していると思うから、応援しているのだ。
それなのに、何故自ら「愛されない」材料をまき散らしてしまうのか。
クラブがするべきことは、自分たちと同じ夢を共有してくれる応援者を増やす努力であろう。
迎合する必要はない。
大切なのはクラブ側が本気でファンが共感できる「夢」を語ることだ。
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こちらのブログでは主に、私が最近妙に熱心に応援し始めた「柏レイソル」についての内容を多く記事にしています。