「世界に平和を」J1昇格を決定したV.ファーレン長崎は10カ月でこんなにも変わった!

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「被爆地長崎は世界の中で平和について唯一語れるクラブです。V.ファーレン長崎を通じて世界に平和を伝える役割を持っていこうではありませんか!」

 

2017年11月11日、ホームでの対讃岐戦に勝利し見事J1自動昇格を決めたV.ファーレン長崎高田明社長が、試合終了後のセレモニーで満員の観衆を前に行ったスピーチには、まさにJ1昇格クラブに相応しい素晴らしいメッセージで締めくくられた。

2017年3月21日に行われた同クラブ株主総会で100%の株式取得の方針を打ち出したジャパネット高田旭社長は

「J1やACLは夢。だが、それ以上に仲間と会い、スタジアムで楽しめる週末を作ることが大事」

と基本理念を語っている。

ジャパネットの完全子会社として再スタートを図ったV.ファーレン長崎は、昨季の15位という成績から今季はシーズンを通して上位争いを続け、ついにJ2昇格より5年の月日を経て積年の夢であったJ1昇格を決定するまでのチームに変化した。

 

 

2017年2月 2016年度の赤字見込み発表

2016年度決算が1億2000万の赤字見込みであることが発表された2017年2月。

これに端を発し、V.ファーレン長崎に内在した様々な問題が一気に表面化した。

親会社が存在せず、経営基盤も脆弱であったこの地方クラブでは、「役員による資金の貸し付けや提供」「翌年の広告費前受け」「増資」といった手法が繰り返し行われ、「資金の先食い」が慢性化していた。

3月2日には、累積赤字が3億円にのぼることが長崎県議会でも示され、クラブは深刻な経営状況に陥っていた。

 

経営危機の表面化とともに噴出した様々な問題

時をさかのぼれば、2014年頃からクラブ運営内部には様々な疑念が噴出していた。

当時より全権を握っていた服部前GMの業務拡大型の運営スタイルを原因とした業務委託費の増大(上海緑地、フェイエノールトなど海外クラブとの提携)

さらに、2016年1月にクラブアドバイザーに就任した池ノ上俊一(後にクラブ代表取締役社長)の問題行動については、度重なる匿名の投書によりJリーグ側から第3者による調査の指導が入り、その外部監査人を決定するプロセスについても、クラブによって恣意的に行われたとする指摘も浮上した。

この外部監査による調査で、クラブの初代監督岩本文昭の名誉を損なうような証言が公然となされ、いわば「トカゲのしっぽ切り」を無理矢理行おうとした跡も見られた。(後に監査人は解任)

 

悪意はなかったと信じたい

こうして事象のみを挙げていくと、クラブ運営を指揮してきた者たちの全てが悪意をもっていたかのように感じてしまうが、決してそのようなことはなかっただろうと信じたい。

クラブライセンスを剥奪されんが為に、クラブ経営が結果として自転車操業となってしまったことも、他のJリーグクラブが決して対岸の火事とは思えぬ苦肉の策であったのだろう。

海外クラブとの業務提携についても、V.ファーレン長崎というクラブの価値をさらに高めていく上で必要だと判断されたはずだ。

しかし、それだからといってクラブを存亡の危機にまで貶めかけたことが許されるわけではない。

クラブが、それを愛する地域、ファン・サポーターと共に進んでいこうとする姿勢こそ尊重されるべきだ。

 

13年目にして膨らんだおおきなつぼみ

前身の有明FC時代から数えれば13年。

これまでに、長崎県サッカー界、行政、財界の志しある人々、それを愛をもって支えてきたファン・サポーター、必死にボールを追いかけてきた多くの選手、スタッフそうした人々によって、コツコツと作り上げてきた地方クラブが、ここに大きな「つぼみ」を膨らませた。

長崎にしかできない、V.ファーレンにしかできない未来図を描く社長のもと、早くも来季のJ1でどのような戦いを見せてくれるのか。大いに期待したい。

 

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2017年9月から、私が開設しているブログがあります。

ブログタイトルは「ラーテル46.net」

こちらのブログでは主に、私が最近妙に熱心に応援し始めた「柏レイソル」についての内容を多く記事にしています。

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