「ザスパ騒動」の最中、今季限りでの退任を発表した菅原宏ザスパクサツ群馬GMのインタビュー記事が上毛新聞の記事となり、話題となっている。
10月15日に行われたJ2リーグ第37節、対東京ヴェルディ戦に敗れたことで、今季のJ2リーグ21位以下が決定。この試合後、ザスパサポーターがゴール裏に掲げた「SOS」というショッキングな横断幕が映る画像は瞬く間にサッカーファンの間に広まり、彼らが叫ぶ「SOS」の真意が何であるのかについても、ザスパクサツ群馬の暗部という形で関連する情報が次々と溢れだした。

草津温泉を発祥の地とするサッカークラブが、クラブの発展とともに前橋というヒト・モノ・カネが集まる県庁所在地に吸い寄せられ、群馬におけるサッカー界の実力者がその流れを利用し徐々にクラブの実権を握っていく中、クラブのアイデンテティをも変貌させていった。
クラブ名は「ザスパ草津」から「ザスパクサツ群馬」へ、そして更に「ザスパ前橋」とされてしまうのではないか。
こうした疑念がザスパサポーターの間では以前より深まっていた。
「クサツ」では金が集まらないという結論づけ
ブログ更新: ザスパクサツ群馬のGMを辞任した菅原宏氏が取材に応える 「僕の力がなかったことを反省している」 https://t.co/I4zlDPLYmT pic.twitter.com/yUKQSxhiLl
— ドメサカブログの中の人 (@domesoccer) November 7, 2017
上毛新聞に掲載された菅原GMへの取材記事には、そうした疑念を裏付けるような発言も確認できる。(記事は1問1答形式)
今季低迷の要因は?との問いに、菅原GMは戦力的な問題をまず挙げた上で、次に資金力の乏しさを理由にし、このように話している。
あとは資金力。ある程度のお金がなければ“設備投資”はできない。(就任)1年目に1億2000万円を集めた頃から都丸(晃)社長と膝をつき合わせて、いろいろなチャレンジをしたが駄目だった。2年半(営業に)歩いてみたが、「クサツ」の名前で前橋をはじめ、高崎、伊勢崎、太田で新規(スポンサー)開拓をするのは難しかった。現場というより、会社としての力も足らなかった。
上毛新聞社11月7日配信記事より引用
菅原GMは、クラブの資金力を大きくしていく上で「草津=クサツ」の名前が障壁になったという意味の発言をしている。
クラブにとって最も重要ともいえるその名前がクラブ発展の妨げになったと言っているのだ。
実際に、こうした状況にあったことは事実であろう。
しかし、それが故にチームの成績不振につながったと結論づける姿勢からは、「ザスパは草津を捨てろ」と言っているのに等しいのではないか。
仮に、今後クラブが「ザスパ前橋」「ザスパ群馬」と名前を変えていったとしても、そこへ至ったきっかけが「草津という名前のクラブではJ2すら戦えない」というのでは、クラブ自体の存在意義すら揺らいでしまう。
サポーターが批難の声をあげるのも当然であろう。
選手の査定 プレーの確認はDAZNで?!
また、今季ホームゲームをスタジアムで1試合も観戦していない(唯一アウェイ長崎戦のみスタジアム観戦)こと、選手の査定の必要性などを指摘されると、自身の体調面での問題や、兼務するサッカー協会での業務などとの兼ね合いを挙げた上で、このように話している。
それは監督やコーチ、選手の話を聞けば済む話。僕は森下を信用しているし、エルシオ(コーチ)も信用している。チーム内の事情をちゃんと聴いていたし、プレーは(インターネットの動画配信で)どこでも見られる。森下から悪い内容のゲームの後に電話をもらえば次の日の朝に必ず会っていた。試合は絶対に見たし、いろいろな話をしていた。
上毛新聞社11月7日配信記事より引用
全てのリーグ戦をスタジアムで観戦しているGMはどこを探してもいないだろうが、菅原GMの言葉からは、クラブや選手への思いが全く感じられない。動画配信で全ての試合を見ることはDAZNに契約している人間であれば誰でもできる。
選手の査定、言うなれば彼らの将来を最終的にジャッジすべき役割にある人間が、彼らのプレーを動画でしか確認していない事実。選手と直接話をしようとすれば自由に話すことが出来る立場にありながら、スタジアムで彼らがどれだけ愛されているかも肌で感じることをしない、そんな人間が悪びれもせずにこのようなコメントを発していることに、異常性を感じざるをえない。
何が問題視されているかの自覚がないのだろうか
こうした言葉に続き、成績が低迷する中でサポーター側から求められた「サポーターカンファレンス」への消極的態度。
自身が代表を務めるtonan前橋への選手移籍に集まる批難の声に対するザスパ草津チャレンジャー(ザスパのセカンドチーム)軽視発言。
おおよそ、今、ザスパサポーターが批判している菅原GMの問題行動について、それらがどういう意味で問題だと指摘されているのかが全く理解出来ていないかのような、答弁に終始している。
現在、J3の首位を走るのは栃木SC。
J2クラブライセンスを持つ彼らがJ3で2位以内という結果を成し遂げた時に、ザスパのJ3降格は決定する。
しかし、来季ザスパがJ2で戦おうがJ3で戦おうが、クラブの体質が変わったこと、変えていこうとしている姿勢をあらわさない限り、サポーターはどんどん離れていってしまうだろう。
彼らはチームが強いから応援しているのではなく、「ザスパ」が好きで応援しているのだ。
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