ザスパ騒動から感じられるJサポーターの自浄作用力

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日本サッカーを「楽しむ」といいながら、あんまり楽しくなさそうな話でスタートしてしまい恐縮です。

ザスパクサツ群馬があえいでおります。

いや、ザスパクサツ群馬があえいでおりますっていうより、ザスパクサツ群馬サポーターがあえいでおります。といった方が正確でしょうか。

前節対東京ヴェルディ戦での敗戦をうけ、今期J2リーグでの21位以下が決定したザスパは、J3リーグの第2位までにJ2参加条件を満たしているクラブが入った場合、J3に降格が決定します。

試合後にゴール裏サポーターが掲げた横断幕には

「Jリーグに関わる全ての皆様へ!!SOS」と書かれておりました。

「SOS」これは衝撃的なワードです。

そして、この騒動が単に「ザスパがふがいない成績でJ3降格圏決定した」ことに向けられているのではないことが徐々に分かってきました。

 

「群馬県サッカー協会=tonan前橋」の構造

私が推測するに、「群馬県サッカー協会=tonan前橋」という構造が今回の騒動の大元にあるのは間違いなさそうです。

ザスパGMの菅原宏氏は、tonan前橋の創設者でもあり、県サッカー協会の専務理事。前橋市サッカー協会の理事長です。(ちなみに前橋市サッカー協会はtonan前橋の事務所内を所在としている!)

さしたる大手スポンサーも存在しない地方クラブにとって、地元サッカー協会との関係性はヒト・カネ・モノ、全てにおいて肝になっているでしょう。

草津温泉という群馬県の中でもさらに地方を出目とするクラブが日本トップクラスのプロサッカーリーグで生きていく為に地元サッカー協会にすり寄って行かざる得なかったのも十分理解できます。

そんな状況の中で、実質的に前橋市を中心とした活動になっていったザスパ。

サポーターたちも、前橋市の正田醤油スタジアムで行われる試合に通い「クサツ」をクラブ名に冠するチームを応援するところまでは了承していたのでしょう。湯揉みのお姉さんたちもゴール裏にいつもいましたしね。

ザスパ→tonan前橋の「選手ロンダリング」

しかし、だんだんとザスパがtonan前橋の体(てい)のいい「選手ロンダリング」の場として活用されるようになっていきます。

tonan前橋は現在関東サッカーリーグ2部に所属しています。J1を1部と考えると、6部に相当するカテゴリーです。

このtonan前橋の選手強化にザスパクサツ群馬という「安定のJリーグブランド」が最大限に活用され、今期だけでも期限付き移籍の選手も含めると8人の選手が「ザスパ→tonan」という移籍をしています。しかもそのほとんどが若い選手。

そしてこの「選手ロンダリング」は国体成年男子群馬県チームがザスパの選手中心で戦うというおかしな現象まで生み出しています。あの永井雄一郎選手も今年国体出ました。ゴールも決めてます。

どうしたいんだ?tonan前橋となりますね。これは

 

tonan前橋のザスパ乗っ取り計画?

ザスパサポーターは、このことを数年前から危惧してきたようです。

「tonan前橋はザスパを乗っ取ろうとしている」

tonan前橋は高校サッカーの強豪「前橋商業」のOBチーム。

当然、群馬県サッカー界に大きな影響力を持ち、その派閥は浸透しきっているのでしょう。

群馬県ではJリーグクラブを運営できるとしても1クラブが限界。

『ならば、「草津温泉」を発祥とするクラブなんかより「前橋」を中心にしたクラブにしてしまえ!そのために、ザスパの力を徐々に削いでいこうではないか!』

そう思ったかは分かりませんが、少なくともザスパサポーターにはそう映ってしまっています。

事実だけ並べても、そう取った方が自然です。

 

溢れるJサポーターの自浄作用力

群馬県サッカー界がこの先どういう道を進んで行くのかは分かりませんし、それが必ずしもザスパクサツ群馬サポーターにとって歓迎すべきものではない方向性になってしまうかもしれません。

tonan前橋と群馬県サッカー協会の姿勢についても、ザスパサポ側から見れば「悪の権化」のように見えますが、この騒動自体が地方サッカー界の悲哀を表しているとも取れます。

ただ、ここで感動すべきは、この騒動の引き金を引いたザスパサポーターのクラブに対する愛情であり、それに賛同する他Jクラブサポーターの応援する気持ちが派生しているという事実でしょう。

Jクラブサポーターは「利害」で悲痛な声をあげているのではありません。

いや、厳密にいえば「経済的な利害関係」がザスパというクラブとの間にない人たちが声をあげているのです。

サッカーというスポーツが、人の心をそこまで熱くさせる。

私はそのことに感動します。

自分たちが信じる価値観に沿って、今群馬県サッカー界で起きている現象を「Jリーグ創設の理念」に戻そうとしている。

Jサポーターはそうやって自浄作用を働かせようとしているのです。

1995年に草津温泉で産声をあげたサッカークラブが22年の時を越え、クラブ存在の意義を改めて世に問い直している。

「経済的」なことだけ言えば、間違いなく「前橋」を中心としたサッカークラブにした方が群馬県としてはいいはずです。

それに対して敢えて抗っている姿。これが人々の心を強く揺るがしているのだと思います。

ふたたびサッカーを純粋に楽しめる生活を求めて。

さあ、あえごう!ザスパサポ!さあ、あえごう!Jクラブサポ!

 

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首都圏、関東圏を中心にJリーグから都県リーグまでの試合日程を記したカレンダーを作成しました。是非とも現地観戦のご参考に!

2017年9月から、私が開設しているブログがあります。

ブログタイトルは「ラーテル46.net」

こちらのブログでは主に、私が最近妙に熱心に応援し始めた「柏レイソル」についての内容を多く記事にしています。

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